イギリスで働く人必見、Workplace Pensionの仕組みを知って賢く利用する

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こんにちは、Chiyo(ChiyoM_London)です。

個別相談でも質問を受けることが多いイギリスの年金の話。

この記事ではイギリスで勤務する人が加入するWorkplace Pensionについて詳しく解説しながら短期滞在なのでOpt outしたい、積立を増やしたほうがいいかなどのよくある質問についても触れていきます。

 

Workplace Pensionとは

会社と従業員が共同で積立をする私的年金のこと。給与から直接天引きされてIncome Taxの節税効果 (Tax relief)もあります。

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Workplace Pensionの対象になる人

  • 22歳から公的年金をもらう年齢以下の人
  • 年間収入が10,000ポンド以上
  • イギリス国内の会社に雇われて、イギリスで働いている人

Gov UK Workplace pension

2019年4月以降は最低8%(従業員 5% 会社 最低3%)を拠出することが義務づけられていて、最低の拠出率を満たしていれば会社と従業員間で自由に設定することが可能。

例えば従業員の拠出は最低額が設定されていないので会社が8%拠出するのもOKです。

 

Workplace Pensionの簡単な仕組み

まずWorkplace Pensionは税引き後の給与を基にするRelief At Sourceと税引前の給与を基にするNet Payという計算方法があります。

 

これは個人が選べるものではなく、所属している会社が年金システムを導入するタイミングで決めているので興味がある人は会社に問い合わせるか、年金システムを提供している会社のホームページを見ればどちらの方式を採用しているか分かるので調べてみてください。

 

簡単にRelief At SourceとNet Payの仕組みを図にしてみました。

 

 

計算方法が違うため同じ給与でも年金の積立額が変わってくるのですが、Tax Reliefについてはどちらの場合も大きな差が出ないような仕組みになっています。

 

短期滞在の場合Workplace Pensionをopt outするべきか

Workplace Pensionは会社から入金のサポートがありTax Reliefも受けられるので入っておいて損はないシステムです。

 

しかし、ワーホリや駐在など短期で滞在することが決まっている人は受け取れるか分からない将来の年金に入金するのではなく今の収入を少しでも増やしたいと考える人もいるかもしれません。

 

そういった場合には年金システムに加入してから一ヶ月以内であれば既に支払った費用の返金を求めることができます。もし一ヶ月以上経ってしまった場合は支払った費用は年金システムに残り、今後支払う年金に対して支払いをストップすることができます。

詳しくはgov UKのページで確認してみてください。

Workplace pensions

もしWorkplace Pensionを続けるか迷っている場合は下記のことを頭に入れた上で本当に辞めるべきか検討するのが良いと思います。

 

  • Workplace Pensionはイギリスに住んでいなくても受け取れる
  • 入金は基本的にイギリスの銀行口座、一部の年金の会社は海外の口座への送金も対応
  • Workplace Pensionを止めてしまうと会社からの年金の入金、所得税のTax Relief同時になくなってしまう

 

個人的には短期滞在のつもりが気がつけばイギリスに長く住むことにという例もよく聞くので、今お金にどうしても困っているという状況でなければそのまま続けても良いかなと思いますが、将来的に手続きをしてイギリスの銀行口座から引き出す必要があるので煩わしい手続きを残したくない人はOpt Outを選ぶのも一つの方法です。

 

年金の積立を増やしたい

老後の資金に不安があり、年金の積立をもっと増やしたいと考えた時にWork Pensionの積立を増やすべきか、新たに私的年金(SIPP)に加入したほうが良いか悩むというご質問が多いのでここでは簡単にメリット、デメリットについて触れていきます。

 

Work Pensionの積立を増やす

メリット

  • 新たに口座開設しなくて良い
  • 給与から天引されて確定申告の必要ない
  • 私的年金を一元化できる

デメリット

  • 基本的に会社に積立金額を変える時に報告が必要になる
  • 手数料が高い場合、新たに私的年金(SIPP)を開いたほうがお得になる
  • 選べる投資先が少ない (リタイアメントファンドしかない場合が多い)

新たに私的年金(SIPP)に加入

メリット

  • 手数料はWorkplace Pensionの年金会社より安いところが多い
  • 投資先の選択肢が多い
  • 会社に連絡しなくても自分で積立金額の変更、停止など行える

デメリット

  • 確定申告が必要な場合がある (higher rate of 40% taxの場合など)
  • 年金をWorkplace Pensionと別に管理が必要

 

年金の積立については上記のメリット、デメリットを踏まえて判断されるのが良いと思います。

 

重要なポイントとなるのはWorkplace Pensionの手数料、会社に問い合わせなくても年金会社のホームページに記載があるので調べてみることをおすすめします。

 

SIPPについてはイギリスの個人年金SIPPのポイントを分かりやすく解説しますという記事で詳しく書いているのでよければそちらも合わせてどうぞ。

 

Workplace Pensionの仕組みを知って賢く利用するのまとめ

イギリスで雇われて働く人にとってほぼ唯一の節税策と言えるのが私的年金を含むWorkplace Pension。

 

会社からの積立とTax Reliefが両方受けられるので通常の投資に比べて老後の資産形成に有利なのが魅力です。

 

この記事がWorkplace Pensionに対する理解と老後の資金のヒントになれば幸いです。

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