こんにちは!Chiyo(ChiyoM_London)です。
イギリスで家を買う中で一番の心配事だった住宅ローン。
(今振り返るとこの後にもっと大変なことが待ち受けているのですが。。)
書類の準備、どの銀行に申し込むか、審査にかかる時間など経験から学ぶことが多かったのでこの記事でまとめてみました。
ちなみにロンドンでの不動産購入手続きについては下記の記事でまとめているのであわせてどうぞ。
関連記事 イギリスで家を買う_購入の基本の流れを押さえよう 前編
目次
Mortgage Adviserは必要?
イギリスでの住宅ローン申請は大きく分けて直接銀行に申し込む方法とMortgage Adviserを通して申請する方法の二つ。
当初は住宅ローンの比較サイトがたくさんネットにあるので自分達で選んで直接申し込んだ方がお得なんじゃないかなーと思っていたのですが、調べていく中でMortgage Adviserを利用するメリットがイギリスではとても大きいことが分かりました。
まず一番の決め手になったのはMortgage Adviserに対するFCA(Financial Conduct Authority)の規制がしっかりしていること。
イギリスではFCAで定められた試験に合格しないと住宅ローンに関するアドバイス、代理店業は出来ないようになっていてアドバイスの内容についても厳しくチェックされています。
例えば顧客に合っていない間違った商品をアドバイザーが紹介してしまった場合、消費者はクレームをして補償を求めることが出来るなど、かなり消費者側に寄り添った仕組みになっています。
その他にもMortgage Adviserを利用すると直接銀行に申し込む場合と比べてこんなメリットがあるんです。
- 住宅ローン申請から承認、その後のフォロー全てMortgage Adviserが銀行と直接やり取りしてくれる
- Dealerにしかオファーされていない商品を含めて幅広く探してくれる
- 購入予定の住宅や申請者の状況をふまえて申請しやすい銀行を選んでくれる
- 申請書類に迷った時に提出前に相談できる
Mortgage Adviserを利用するデメリットは手数料がかかることですが顧客から手数料を取らず銀行から紹介料を得るアドバイザーも多いので顧客目線で判断する上ではあまり気にならないポイントでした。
もちろん銀行から直接住宅ローンを組むことで得られる商品もありますし、一概にMortgage Adviserのほうがお得ですよ!とは言えないのですがこれから住宅ローンを組む予定がある人は一度検討してみるといいと思います。
Mortgage Adviserの探し方
ではMortgage Adviserの探し方ですが、紹介がなくてもオンラインで簡単に見つかります。
私はMortgage Brokerの Trussleという会社を利用しました。
きっかけは友達が家を購入時にお世話になった住宅ローンアドバイザーの方がTrussleに転職していい会社と言ってたというなんともふわっとした理由。
(家を購入する時ってとにかく知り合いからのおすすめから連絡をしたり、サービスをお願いする機会が多いのでそのノリで連絡しました。笑)
結果的に申請から審査が降りるまで手厚いサポートをしてもらえたので満足しています。
Trussleとは
Trussleはイギリス発の住宅ローン仲介の会社です。
創業は2015年、従業員は100名前後とまだ中規模のベンチャーですが資金調達のシリーズBを2018年に終えて更にサービス、従業員の拡大を2020年に計画しています。
会社はMAB(Mortgage Advice Bureau)に登録済み、Mortgage Adviserは全てCEMAPの資格を持ってる人に限られています。
(Trussleの会社紹介ビデオ、会社の雰囲気が伝わるほんわかする内容なので見てみてください。)
Trussleの強み
- Broker Feeを顧客から取らない
- 担当がついて、電話含め細やかな対応 (オンラインサービスにありがちなEmailやチャットだけではない)
- 90の機関、12000以上のディールを幅広く探してくれる
- 住宅ローンを組んだ後も借り換え含めいいディールがあればお知らせしてくれる
- 手数料や仕組みを明確に説明してくれる
基本的に申請はメールのやりとりと書類をシステムにアップロードするだけで完了するのですが、必要な時にすぐに担当のアドバイザーに電話で相談できたのも心強かったです。
ちなみにイギリスで家を買う手続きに入ると電話がかなりの頻度でかかってくるんですよね。。
2019年というITが身近になった時代に生きていても、手続きや商品説明は電話でという会社も多かったのでTrussleのサービスは本当に快適でした。
住宅ローンを申請する前にMortgage In Principle
Trussleに最初にコンタクトを取ったのはMortgage in Principleを申請した時、まだ物件のオファーが通っていない時期ですね。
Mortgage In Principleについてはイギリスで家を買う_購入の基本の流れを押さえよう 前編の中の住宅ローンの仮承認を得るという項目で説明しています。
Mortgage In Principleの取得するために必要な書類や情報は下記のページに詳しく書いてあります。私たちの場合はオンラインの質問に答えるだけで、こちらから書類の提出は必要ありませんでしたが状況によっては求められることもあるので確認しておきましょう。
Trussle Mortgage in Principle Guide
ちなみにこの時点での審査はソフトチェックと呼ばれるもので仮にMortgage in Principleが発行されなかったとしてもクレジットスコアに影響することはありません。
関連記事 イギリスのクレジットスコアの基準とクレジットカードをつくる理由
書類の有効期間は三ヵ月程度、住宅ローンが借りられることを保証するものではないのですが実際の申請の前に借りられる額の目安が分かるので本番のローン申請の前に取得しておくことをおすすめします。
住宅ローン申請手続き
ここからは実際にTrussleで住宅ローンを申請した手続きをまとめていきます。
①住宅ローンを選ぶためのオンライン面談
購入したい物件のオファーが通った段階で約1時間弱の面談を音声通話(Trussleの独自のシステム)で受けました。
聞かれる質問は主に購入予定の物件(どういう建物、何階建て、購入金額など)と就労状況 (収入、ビザのステータス含む)など。
この質問を基に面談中に住宅ローンの商品をデータベースから選んでくれるのでローンの希望(固定金利か変動金利、固定の場合は何年間固定したいかなど)を事前に考えておくとスムーズだと思います。
またここで担当してくれた方がローン申請まで一貫して対応してくれます。
②住宅ローンの商品を選ぶ
面談が終わると会話のスクリプトとおすすめの住宅ローン詳細がPDFで送られてきます。
商品に納得したタイミングで申請する意思を伝えます。
(この時点では内容を変更したり、違う商品を引き続き探してもらうことも可能です。)
イギリスの住宅ローンを選ぶうえで知っておきたいのが必ずしも利息が低い商品がお得ではないということ。
なぜこのような複雑なことが起こるかというと住宅ローンの種類によって手数料が発生するから。
こちらは実際にTrussleから送られてきたローン詳細の一部なのですが、左の緑のローンのほうが白い商品よりおすすめとのこと。
その理由は利息は右側の商品のほうが低いもののArrangement Feeが999ポンドかかるため5年間のトータルの支払いで考えると200ポンド以上緑の商品のほうがお得になるとのことでした。
ちなみに住宅ローン比較サイトでもAPRという項目(手数料込みの年間の利息)があるので、自分で計算しなくても調べることは可能です。
また住宅ローンを調べる中でAPRC (annual percentage rate of charge)という項目を見かけることがあると思いますがこちらは住宅ローンやローン期間を変更せずに払い切る場合の平均利率を表していてます。
イギリスの住宅ローンは2年から5年くらいの固定金利ののちに変動金利に移るように設計されていて固定金利が終わった後のレートは一般的に高くなるためAPRCの利率は実際に支払う固定金利のレートより高いことが一般的です。
多くの人は固定金利が終わるタイミングでローンを組み換えるのでAPRCは住宅ローン同士の比較には参考になりますが、実際に支払う利率の確認はAPRで行いましょう。
③申請書類を準備、提出する
申請する住宅ローンを決めたら次は申請書類の準備です。
Trussleでは必要な書類についてメールで連絡が来て、ウェブサイトにアップデートする流れでした。
提出した書類
- 住所証明
- パスポート
- 3か月分の銀行のバンクステートメント
- 3か月分の給与明細
- デポジット金額を保有しているかの証明 (3カ月間保有している証拠が必要)
- 雇用主の住所
- 配偶者の名前と誕生日
- 住宅ローンの支払いに使うDirect debitの情報
- クレジットカードや他のローンの詳細
- 購入する物件の不動産エージェントの情報
- ソリシターの情報
*必要な書類については申し込みの時期や銀行によっても異なるのであくまでも参考程度でお願いします。
親族からGift Depositを受ける場合
親族から資金援助を受ける人は上記の書類に加えてGift Depositについてのレターにサインが必要です。
海外の口座の資金をDepositの資金証明に使う場合
海外の口座の資金をDepositの資金証明にすることは可能ですが、6か月分のバンクステートメントを提出する必要があります。
個人事業主が住宅ローンを組む場合
フリーランスなどの個人事業主もイギリスで住宅ローンを組むことは可能ですが、提出書類は会社に勤めてる人に比べると多くなります。
2019年6月の段階では2年分のSA302とTax overviewの提出が求められました。
Trussleのウェブサイトがとてもよくまとめてあるのでリンクを貼っておきます。
④Trussleが銀行に申請する
書類を全てアップデートしてTrussle内での確認が終わり、銀行に申請する準備が出来たらillustrationと呼ばれる住宅ローンの詳細が送られてくるので確認をして問題がなければ申請を進めます。
Trussleが銀行に書類を申請してから審査が通るまでは約1週間程でした。
審査の間に銀行による住宅の査定も入ります。
⑤銀行から住宅ローンに関する書類が送られてくる
審査が通ると銀行から書類が送られてくるのでソリシターに書類を転送します。
住宅ローンの申し込み期限までに契約出来ない時は、、
住宅ローンには申込期限があるのですが、期限が切れる前に延長したい旨連絡をすれば問題ありません。
私たちの住宅ローンの審査が下りたのは5月末、申込期限は9月末だったのでなかなか進まない購入手続きに「住宅ローンの期限が切れてしまう!」とやきもきしていたのですが、延長を申し込んだところTrussleを通して簡単に変更できました。
イギリスで家を買う_住宅ローン申請から審査までのまとめ
住宅ローンは申請状況や時期によって情報が変わるので、ここで書いた内容がそのまま役に立つかは微妙なのですが、私が申請過程で学んだことをなるべく詰め込んでみました。(そのため、とても長くなってしまいました。)
イギリスで家を買う上で大変なパートなので、この情報が参考になれば幸いです。