こんにちは!Chiyo(ChiyoM_London)です。
海外で暮らしながら老後にどう備えるかは大事なテーマですよね。
この記事では老後の暮らしの大きな資金源となるイギリスの公的年金の仕組みについてまとめました。
イギリスの公的年金とは
イギリスの公的年金はThe Basic State Pensionと呼ばれていて10年以上 (満額は35年) *National Insuranceを支払うと受け取ることができます。
*National Insurance (ナショナルインシュランス)とはイギリスの税金システムのひとつで会社に勤めている人は給与から天引きされています。払うことで年金や手当を受け取ることができます。
イギリスは昔はかなり複雑な年金システムでしたが2016年4月以降に年金を受け取る人からこのシンプルな一階建ての年金システムが適用されています。
満額積み立てた場合の年金は週に164.35ポンドなので月々の支払いは約712ポンド (年の週数をかけて12で割りました)
ちなみに現在の為替(2018年 9月現在 1ポンド=142円)で計算してみると日本円で10万円ちょっと。
日本の年金と比べると国民年金よりは多いけど厚生年金を合わせた金額よりはかなり少ないですね。
National Insurance (ナショナルインシュランス)の金額は収入によって変わるのでこのような年金の仕組みは所得の再分配効果はありますが、負担した分が給付に反映されるわけではありません。
10年イギリスに住んでいないと年金はもらえない?
駐在などで短期でイギリスに滞在する日本人にとってイギリスで年金をもらえるのかどうかは気になるポイントですよね。
答えは最低10年間のナショナルインシュランスの加入は必要ですが、イギリスの勤務が10年間に達しない場合は任意加入を(Voluntary National Insurance)することで受給資格を得られる場合があります。
任意加入はイギリスを離れる直前まで働いていること、そして連続3年以上ナショナルインシュランスに加入していることが条件になります。
任意加入をすると6年間分ナショナルインシュランスに加入できるのでイギリスで4年以上働きながら加入していた人は支払う金額と10年分でもらえる金額(2018年現在週に約47ポンド)を計算してイギリスを離れる前に手続きをするか検討してみるといいかもしれません。
ちなみに下記のウェブサイトから簡単にナショナルインシュランスの加入記録を見ることができます。
ちゃんと払っているつもりでも意外と抜けていることがあるのが年金支払いなのでまだ年金受け取りまでに時間があるイギリス在住の方も早め、そしてこまめなチェックをおすすめします。
また最新の情報についてはGov.UKのウェブサイト、もしくはHMRCに確認をお願いします。
イギリスを離れて海外で暮らす場合の注意点
イギリスの年金も日本の国民年金と同じく物価や賃金の変動によって改定が行われ毎年下記の指標の中で一番高い数字が採用されて年金は増えていきます。(ちなみに直近2018年の増加率は3%でした)
- Earnings(賃金) – the average percentage growth in wages (in Great Britain)
- Prices (物価)– the percentage growth in prices in the UK as measured by the Consumer Prices Index (CPI)
- 2.5%
注意したいポイントは下記の国で老後を過ごす場合に限りこの改定が適用されること。
- the EEA
- Gibraltar
- Switzerland
- certain countries that have a social security agreement with the UK
Countries where we pay an annual increase in the State Pension
イギリスと日本は社会保障協定を締結し発効されているのですが社会保険料二重負担の問題のみにとどまっていて、残念ながら年金加入期間の通算や年金額の毎年の調整に日本は入っていません。
そのため将来老後は日本で過ごしたいと考えている人はイギリスの国民年金は増えない前提で老後のお金のプランを考えることをおすすめします。
イギリスの国民年金のまとめ
イギリスの国民年金は2016年に改定されてから分かりやすくなったものの10年以上の加入期間が必要だったり、日本で老後を過ごす場合はもらえる金額が減ってしまいます。
そのためイギリスに住む日本人は早い段階で老後に必要な資金を計算して対策を取っておくほうが良さそうです。
今後は私的年金の情報についてもまとめていく予定なので、リタイアメントプランの参考にしてもらえたら嬉しいです。