こんにちは!Chiyo(ChiyoM_London)です。
私は今年の春からWeWorkというコワーキングスペースを利用して働いています。
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そんな私のオフィスから突然プラスチックが消えました。
ついに私の働いてるWeworkではオフィス全体でプラスチックを使わないZero Plasticが始まってなんと水筒まで支給される徹底ぶり。リサイクルすればいいじゃんって思ってたけど根本から使わないのが1番優しいよね。 pic.twitter.com/2zj6PZdsbD
— Chiyo.M (@ChiyoM_London) July 23, 2018
オフィスからプラスチックを無くすって簡単そうに思えるのですが数百人が出入りするコワーキングスペースでプラスチックを使わずに快適なオペレーションをするのって簡単ではありません。
そこでこの記事ではプラスチックゼロのオフィスをWeWorkはいったいどうやってつくったのか、そして実際に一週間働いてみた感想をまとめてみました。
Wework Zero Plasticの取り組み
この取り組みはイギリスのWeWork発。
現在ロンドンにあるオフィス5拠点から試験的に始めていて順次他のオフィスにも拡げていく予定でいるそう。
WeWorkのウェブサイトでも公式に発表されています。
Europe generates about 26 million tons of plastic a year, but only about 30 percent of that is recycled. The rest is largely incinerated or dumped into landfills.
ヨーロッパでは年間2,600万トンのプラスチックが生産されていてそのうち30%しかリサイクルされていません。残りは焼却処分されているか埋め立てられています。
Our goal is to make WeWork as planet-friendly as possible so we are doing all we can to reduce our consumption of single use plastic to zero. By working together we can all make a positive impact on our environment.
私たちはWeWorkを出来るだけ地球に優しいオフィスにするために使い捨てプラスチックの消費をゼロにする運動をします。一緒にアクションを起こせば私たちの環境にいい影響を与えられるはずです。
リサイクルよりも根本的にプラスチックを減らすこと
イギリスに住んだことがある人は野外イベントの後にゴミが散乱した状態を見たり、ゴミの分別が大雑把なことにがっかりしたこともありますよね。
30%前後という低いリサイクル率というのもうなづけます。
ちなみに日本のプラスチックのリサイクル率は70%-80%
リサイクルに対する意識が高い日本で育った身としては環境問題を考えた時にまずリサイクルの仕方を改善すべきって思っちゃうんですけど最近は根本的にプラスチックを減らすことの重要性も感じてます。
その理由は
- リサイクルをするのにもエネルギーを使うから
- リサイクルを徹底するには教育が必要で多国籍な人が暮らす都市では定着するのに時間がかかる
リサイクルに対する意識が高いのは大事なことですがデメリットとして「リサイクルするんだからプラスチックを使ってもいいよね」という考えになりがちなこと。
結果的にプラスチックの消費量は減らず、リサイクルにかかるエネルギーや人件費は増えていきます。
またゴミの分別を多国籍な人が集まる都市で徹底させることって本当に難しいなぁと日々生活していると思うんです。
下の写真はロンドンの中でも移民が多く集まるWhitechapelの駅前なのですが、残念なことに道端のゴミが本当に多いんですよね。

ロンドンような国際都市で環境問題に取り組むには市民のゴミに対する考え方を教育することとプラスチック自体の消費を減らすこと両方が必要で今回のWeWorkの取り組みに通じるところがあります。
プラスチックがゼロになったオフィスの様子
ここからはプラスチックがゼロになったオフィスの様子をお届けします。
WeWorkのオフィスにはきゅうりとフルーツが入ったお水がどのオフィスにもあるのですがそのための使い捨てプラスチックがまずなくなりました。

あれっプラスチックカップなくなったなーと思っていたらデスクにZero Plasticの取り組みのアナウンスが。

この時点で特に混乱はなし。
まぁ前から思ってたのですがWeWorkで働いてる人のウォーターボトルの保持率はとても高いし、温かい飲み物は置いてあるマグカップで飲むのでそこまで大きくオフィスの設備が変わった印象はありませんでした。

でこのアナウンスをよく見たらなんとReuseable Bottle あげますと書いてある!!
単純に嬉しくて早速受付で名前を伝えてもらっちゃいました。

ちなみにウォーターボトルの使い勝手ですがちょうどロンドンがヒートウェーブの影響で30度を超える猛暑日が続いていたので保冷機能が嬉しかったです。
ゴミの分別方法も分かりやすく
ゼロプラスチックの取り組みと一緒にゴミの分別方法も分かりやすくなりました。
以前も同じくTRASH(一般ゴミ) RECYCLE(リサイクル) COMPOST(食品くず)と分かれていたのですが「これはリサイクルできる?」「ティーパックは食品くずになるの?」と正直判断に困ることが多かったんです。
取り組み後は具体的にYES/NOと書かれた表示が作られたことで迷わず分別できるようになりました。
とっても分かりやすいのでこの3つのゴミ箱をイギリスの一般的なゴミ箱に認定してほしい。
ビールは何で飲めばいいのか問題
イギリス人が大好きなビール。
ビールの消費量が多すぎてあるオフィスでは「金曜日はいつもビール切れちゃうんだよね」なんていう話も聞くぐらいイギリスのWeWorkオフィスでは大事な存在。
(結構美味しいのでもし機会があればぜひ!オフィス訪問お待ちしています。)
プラスチックが無くなると聞いた時、飲めない私でさえも真っ先に心配になったのがドラフトビールをどうやって飲めばいいのか。
イギリスのパブはグラスで出していますが夜のイベントも多いWeWorkではスタッフのオペレーションを考えても現実的ではありません。
ドキドキしながら夕方覗いてみるとあれっカップが置いてあるぞ。。

プラスチックゼロになってないじゃん!と思って聞いてみたらなんとこれはコーンスターチから作られたBioPlasticのカップとのこと。
食品くずとして完全に堆肥にすることが出来るらしい、、徹底してます。
プラスチックゼロのオフィスで働く感想
1週間プラスチックがないオフィスで働いてみた感想はびっくりするほど快適でした。
もちろん仕事に支障が出ないようにWeWorkのスタッフの方が運営をしっかりしてくれたというのが大きいのですが嬉しかったのはいつも昼頃パンパンになるゴミ箱がスッキリしていること。
プラスチックカップって普通に捨てるととてもかさばるのでメンバーが一人一個使うだけでもかなりの量になってたんです。
プラスチックゴミが明らかに減っているのを見るとアクションの一部に加わることが出来た気がして喜びがふつふつと。
取り組みが始まった次の日にたまたまスタッフの方とお話する機会があったのですが「まだロンドンの5つのオフィスでしか始まってないけど早く他のオフィス、国でも広めていきたい」と話していて意気込みがひしひしと伝わってきました。
とても素敵な取り組みだと思うのでイギリスだけではなく他の国にも広がったらいいなと願いつつ、これからの動きもイギリスから発信していきたいと思います。
現場からは以上です!